ヨモギとお灸
2016.12.01
12月に入り、本格的な冬になってきました。季節に関係なくとても効果のあるお灸ですが、寒い冬には特に有効な治療となります。
このお灸に使う艾(もぐさ)は、ヨモギの葉の裏についている白い繊毛を精製したものです。
簡単に工程を説明すると、「ヨモギの葉を乾燥・粉砕→ふるいにかけて不純物を取り除く」となりますが、手作業も多く、大変な手間をかけて作られています。
ところでこのヨモギ、日本全国至る所に自生する身近な植物ですが、食べる・飲む・肌に付ける・お風呂で浸かる・香りを嗅ぐ・蒸した蒸気を吸う・お灸で燃やすなど様々に利用されている薬草で、ヨーロッパでは『ハーブの女王』と呼ばれています。その主な効能は、健胃・腹痛・下痢・貧血・冷え性・腰痛・止血などなど多様なものです。
その中で、艾の有効成分の代表が「シネオール」という精油成分で、強力な消毒・殺菌・鎮静・鎮痛作用などがあります。お灸をすることによってこの成分が浸透していくため、温熱・補気効果以外にも鎮痛・鎮静作用などが期待できるのです。シネオールはお灸の煙の方にも含まれていて、施灸されている動物たちがリラックスし時には眠りそうになるのはこの効果なのでしょう。
以外と体調を崩しやすい春を元気に迎えるため、寒い冬の間にお灸で体を養えると良いですね。
ご自宅で気軽にできるお灸もありますので、ご相談ください。
〈ペットの東洋医学診療は京都 長岡京・華葉どうぶつ病院までご相談ください〉