漢方薬のおはなし
2017.05.28
先日、富山県氷見市で開催された、漢方薬講座に参加してきました。
講師は薬剤師でチベット医の小川先生。日本ではメジャーな方剤である「葛根湯」と「大建中湯」について、それぞれに含まれている生薬の説明があり、実物を手にとって味わったりしました。
日本で「漢方薬」というと、既製のもの(レシピ通りの生薬を煎じたものを顆粒状に生成したエキス剤や錠剤)が一般的ですので、なかなか個々の生薬を実際に味わう機会がありません。また、本来はその人のその時の状態にあった生薬を選んで、同じ方剤=レシピでも割合を変えたりし、飲む時に煎じるのがベストです。実現するのはなかなか難しいですが、そういう環境が身近に広まればいいなぁと思いました。
ちなみに、チベット医の試験では、実際に野山に出て生薬を取ってくるというものもあるそうです。ちょっとカッコイイですね。
それから、カプセルや糖衣錠と違って煎じたお薬は匂いがしっかりしますよね。それが飲みづらい一因ではありますが、本来は口から入る前に鼻から匂いを嗅ぐことで身体が受け入れ準備をするとのこと。「飲みやすいお薬」より実は身体に優しいんですね。
ただ、嗅覚が人間より何倍も敏感な動物は、微かに匂いのする錠剤タイプの漢方薬くらいがちょうど良いのかな、と思いました。野生動物も自分で煎じたりはしないですしね。
「大建中湯」の生薬です。
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