美味しい果物で養生を
2017.09.23
今日23日は、秋分の日。昼(陽)と夜(陰)の長さが同じになるこの日以降、陽気は徐々に収斂していきます。多少の寂しさはありますが、暑さもようやく落ち着いて過ごしやすい季節になりましたし、お天気の良い日には遠足や運動会など楽しい行事も多い時期ですね。
そんな初秋の食養生の基本は、夏に弱った胃腸の疲労回復と秋の乾燥対策/肺と皮膚の養生です。収穫の秋ですから、美味しく食べて養生できるものが沢山ありますが、今回のおすすめはどうぶつにも食べやすい果物「梨」です。
梨は「百果の王」と呼ばれていて、その効能は、
・生津(しょうしん):津液を生み出す (津液とは身体の水分のこと)
・潤肺(じゅんぱい):肺を潤す
・清熱(せいねつ):熱を冷ます
・化痰(かたん):痰を取り除く (痰とは流れが滞ってドロドロになった津液のこと)
・止咳(しがい):咳を止める
・生肌(せいき):皮膚を作り出す
・解酒毒(げしゅどく):飲酒による体調不良の解消
です。
口の渇きや咳、咽喉の痛みや痰が絡んだり声がかれるといった呼吸器系症状の他に、疲労回復や二日酔い(←ヒトの場合)、利尿効果もあり、初秋の養生に最適な食材です。
梨の食性は「涼」といって、身体の熱を冷ます作用がありますので、食べ過ぎてお腹を冷やさないように注意は必要ですが、味も効能もまさに今が旬、是非ご家族全員で愉しんでください。完全肉食の猫さんにはなかなか受け入れて貰えないかも知れませんが、少量を細かくしたりすり潰したりして、試してみてくださいね。
ところで、干して漢方薬の「補気薬」として使われる棗(なつめ)も、今頃が収穫時期です。ミネラル豊富で疲労回復や貧血に良く、どうぶつにもおすすめの果物ですが、なかなか生では見かけません。その生の棗を、往診の際に分けていただきました!
早速甘露煮にしてみました。
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