春の養生法
2017.02.20
最古の中国医学書とされる『黄帝内経(こうていだいけい)』には、陰陽五行論に則った医学理論や鍼灸治療術が述べられていて、その初めの項には病気にならないための養生法が記載されています。今から約二千年前に成立したと考えられている古典ですが、現代人が参考にしなければいけないことばかりだなぁと思いました。
今はまだまだ寒い日が続きますが、昼も長くなり春を感じられる日も出てきましたので、この『黄帝内経』にある春の養生の概要を以下に紹介します。
【春は、すべてのものが芽生えいきいきと動きだす季節です。この時は、朝早く起きてゆっくりと散歩し、また肉体的にも精神的にものびのびと過ごし、急激な労働をしたり心を緊張させたりしないようにしましょう。これに逆らうと、春に活動する「肝」が傷つき病になります。たとえすぐ発病しなくても、夏に病が表に出てきます。】
(中医学における「肝」とは、いわゆる肝臓機能だけでなく、情志のコントロールにも関わっている臓です。)
春といえば、年度替わりで忙しかったり環境が変わって緊張が続いたり…まさに春の養生に反することばかり起こりそうです。一緒に暮らすどうぶつ達も、そんな家族の様子に少なからず影響され、体調不良のきっかけになっていることがよくあります。
“早起きしてゆっくり散歩”なんてムリ…と、難しく考えなくても、時々“伸び”と“深呼吸”をして、ちょっと緊張をほぐすだけでもOKです。忙しい春こそ、ゆったりとした気持ちになってどうぶつ達と過ごしたいなと思っています。
我が家のイオ(18歳10か月)も、最近ベランダの散歩(ちょっとヨロヨロしながら…)がお気に入りです。
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