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漢方薬のおはなし

2017.05.28

先日、富山県氷見市で開催された、漢方薬講座に参加してきました。

講師は薬剤師でチベット医の小川先生。日本ではメジャーな方剤である「葛根湯」と「大建中湯」について、それぞれに含まれている生薬の説明があり、実物を手にとって味わったりしました。

日本で「漢方薬」というと、既製のもの(レシピ通りの生薬を煎じたものを顆粒状に生成したエキス剤や錠剤)が一般的ですので、なかなか個々の生薬を実際に味わう機会がありません。また、本来はその人のその時の状態にあった生薬を選んで、同じ方剤=レシピでも割合を変えたりし、飲む時に煎じるのがベストです。実現するのはなかなか難しいですが、そういう環境が身近に広まればいいなぁと思いました。

ちなみに、チベット医の試験では、実際に野山に出て生薬を取ってくるというものもあるそうです。ちょっとカッコイイですね。

それから、カプセルや糖衣錠と違って煎じたお薬は匂いがしっかりしますよね。それが飲みづらい一因ではありますが、本来は口から入る前に鼻から匂いを嗅ぐことで身体が受け入れ準備をするとのこと。「飲みやすいお薬」より実は身体に優しいんですね。

ただ、嗅覚が人間より何倍も敏感な動物は、微かに匂いのする錠剤タイプの漢方薬くらいがちょうど良いのかな、と思いました。野生動物も自分で煎じたりはしないですしね。

「大建中湯」の生薬です。

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6月の休診日のお知らせ

2017.05.22

6月2日(金)・10日(土)・23日(金)は他院勤務のため、18日(日)・25日(日)は研修のため、休診とさせていただきます。

(上記以外は土・日・祝日もご予約いただけます。)

 

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江戸時代のどうぶつ達

2017.04.25

先日獣医中医学の研修で東京に行った際に、太田記念美術館で開催されている『浮世絵動物園』という展覧会を観てきました。

海外から来た象の紹介や博覧会でのマンボウの説明図、家畜のいる風景、ペットとして可愛がられている犬や猫、擬人化された動物たち、流行した動物柄の着物……様々な動物達が浮世絵の中にいました。

特に、専用のお座布団に座ってお嬢様と一緒に琴の演奏を聴いている狆や、女性が「可愛くて仕方ない」といった様子で頬ずりしている猫などを見ると、今と全然変わらないなぁと微笑ましかったです。

獣医が馬や牛に鍼灸治療をしていた時代ですし、人々も自らお灸を据えたりしていましたから、ペット達もきっと鍼やお灸で養生していたのでしょうね。

 

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5月の休診日のお知らせ

2017.04.22

5月4日(木)・5日(金)・14日(日)・19日(金)・26日(金)は他院勤務のため、7日(日)・28日(日)は研修のため、休診とさせていただきます。

(上記以外は土・日・祝日もご予約いただけます。)

 

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食養生・早春

2017.03.28

春分の日を過ぎましたが、今年は桜の開花も遅れていて、なかなか春の養生法 “早起きしてゆっくり散歩” 気分になれませんね…

そこで、まだ寒さの残る春先にお勧めする「どうぶつ簡単薬膳ごはん」のご紹介です。

 

青紫蘇(大葉)または小松菜をよく洗い、細かく刻んでいつものフードにトッピング。以上で完成です。

「薬膳」というとなんとなく面倒な感じがしますが、これだけでもちゃんと食養生になります。

主な効能は、
・紫蘇(辛温発散=体を温める、邪気を追い出す)
・小松菜(養陰徐煩=体の水分を補う、イライラや不安感を鎮める)

です。

量は(5kgのわんちゃんの場合)、紫蘇なら1〜2枚/日、小松菜なら30 g/日くらいが目安です。
植物オイルと一緒に摂るのもお勧めですので、ごく少量(1日:小匙1/4程度)のオリーブオイルなどをかけてみても良いです。また他に、パセリや青梗菜でもOKです。

 

青菜に慣れないわんちゃんや、特に猫さんは、いきなりは難しいかもしれませんが、その時は火を通したりごく微量から試したりなどしてみて下さい。効能は勿論人間も同じです。同じ食材で一緒に養生できるのは素敵なことだな、と思っています。

 

 

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4月の休診日のお知らせ

2017.03.22

4月7日(金)・14日(金)・21日(金)・29日(土)は他院勤務のため、23日(日)は研修のため、休診とさせていただきます。

(上記以外は土・日・祝日もご予約いただけます。)

 

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3月の休診日のお知らせ

2017.02.28

3月3日(金)・10日(金)・18日(土)・24日(金)・31日(金)は他院勤務のため、12日(日)・26(日)は研修のため、休診とさせていただきます。

(上記以外は土・日・祝日もご予約いただけます。)

 

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どうぶつ養生セミナー 3月16日

2017.02.20

当院にて、下記の通りどうぶつ養生セミナーを開催します。

 

どうぶつ養生セミナー 犬猫食養生①

日時:2017年3月16日(木曜日)13:00~14:30

場所:華葉どうぶつ病院 (長岡京市神足2丁目1−18ウエストロードハイツ坂本201)

内容:わんちゃん・ねこちゃんの食性から、ペットフード選びのポイント、手作り食についてなど…

日々愉しく健康に過ごすために、一番大切であり悩みも多い『食』の養生についてお話します。

定員:3名(ペット同伴ではありません)

参加費:1500円(動物用薬膳スープ&ふりかけセット付き)

 

少人数でゆっくりと、また個々の質問も受け付けますので、どうぞお気軽にご参加ください。

参加ご希望の方は、電話またはメールにてお申し込み下さい。

TEL:070-5661-6216(受付時間9:00~19:00 診療中で出られないことがありますのでご了承下さい。)

E-mail:kayou.vet@gmail.com

 

出張セミナーもいたしますので、ご相談ください。

 

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春の養生法

2017.02.20

最古の中国医学書とされる『黄帝内経(こうていだいけい)』には、陰陽五行論に則った医学理論や鍼灸治療術が述べられていて、その初めの項には病気にならないための養生法が記載されています。今から約二千年前に成立したと考えられている古典ですが、現代人が参考にしなければいけないことばかりだなぁと思いました。

今はまだまだ寒い日が続きますが、昼も長くなり春を感じられる日も出てきましたので、この『黄帝内経』にある春の養生の概要を以下に紹介します。

【春は、すべてのものが芽生えいきいきと動きだす季節です。この時は、朝早く起きてゆっくりと散歩し、また肉体的にも精神的にものびのびと過ごし、急激な労働をしたり心を緊張させたりしないようにしましょう。これに逆らうと、春に活動する「肝」が傷つき病になります。たとえすぐ発病しなくても、夏に病が表に出てきます。】

(中医学における「肝」とは、いわゆる肝臓機能だけでなく、情志のコントロールにも関わっている臓です。)

春といえば、年度替わりで忙しかったり環境が変わって緊張が続いたり…まさに春の養生に反することばかり起こりそうです。一緒に暮らすどうぶつ達も、そんな家族の様子に少なからず影響され、体調不良のきっかけになっていることがよくあります。

“早起きしてゆっくり散歩”なんてムリ…と、難しく考えなくても、時々“伸び”と“深呼吸”をして、ちょっと緊張をほぐすだけでもOKです。忙しい春こそ、ゆったりとした気持ちになってどうぶつ達と過ごしたいなと思っています。

 

我が家のイオ(18歳10か月)も、最近ベランダの散歩(ちょっとヨロヨロしながら…)がお気に入りです。

 

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おいしいゴハンで元気に

2017.01.30

先日、京都市の「野と花(のどか)鍼灸院」で、わんちゃんセミナー〜食養生〜をしました。昨年10月に続く2回目です。今回は、前回時間切れでお伝えできなかった手作り食の食材について、主に薬膳の観点からお話ししました。養生したい季節・臓腑ごとに適した食材について説明しましたが、私の話術が拙く、わかりづらかったのでは…と反省しきりです。

でも、とても嬉しかったのが、手作り食を取り入れてからお腹のトラブルがなくなったり、シニアのわんちゃんが以前より元気にお散歩に行くようになった、という報告をいただいたことです。

『人の食べ物をあげるのは良くない』と思いがちですが、どうぶつの食性・体調にあった食材なら、逆にとても良いことです。家族みんなで美味しく食べて、しかも体調が良くなれば、嬉しいですよね。

当院内でもセミナーを企画していますし、出張もいたしますので、ご興味のある方はご相談ください。

 

 

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